H2=国内鉄スクラップの指標品種。鉄スクラップの中で最も流通量が多い。建物解体から発生した鉄筋やその他の鉄スクラップをシャーリング(せん断)加工した鉄スクラップなどが一般的。電炉メーカーによっては「特級」と呼ぶ場合も多い。
 (社)日本鉄源協会の検収統一規格は、「幅500o以下、長さ1,200o以下、厚さ3o〜6o、単重1,000kg以下」。
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 新断自動車や機械製品の製造工程などから発生する「工場発生スクラップ」の代表品種。鋼鈑を切断加工した際などに、後に残る端材を指す。
 発生した形状のままのものが「新断バラ」、プレス(圧縮)加工を施したものが「新断プレス」となる。また、表面処理や酸化の有無により、品質の高いものが「新断バラ(プレス)A」、それより劣るものが「新断バラ(プレス)B」。

 (社)日本鉄源協会の検収統一規格は、「3辺の総和が1,800o以下、最大辺が800o以下」。
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 炉前価格=鉄鋼メーカーの鉄スクラップ購入価格を指す。「電気炉や転炉の前まで持ってきた時に支払われる価格」がもともとの意味。鉄スクラップ業者など納入業者が、鉄鋼メーカーまでの運送コストを負担することを意味している。
 運送コストを買い手が負担する場合の価格を「置き場渡し」などと呼ぶ。
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 鉄鋼蓄積量=国内に現存する鋼製の構造物全てを鉄に換算した場合の総量。鋼製の構造物とは、建物に使用した建材や自動車、家電製品などあらゆる製品を指す。日本の鉄鋼蓄積量は03年度に12億6千万トンに達している。
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 高炉メーカー=鉄鉱石から鉄を還元する高炉とそれを鋼に製錬する転炉をもつ、銑鋼一貫メーカーのこと。国内では、新日本製鉄、JFEスチール、住友金属工業、神戸製鋼所、日新製鋼の5社を指す。近年、鉄スクラップ(上級スクラップ)を原料として購入する傾向が強まっている。
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 電気炉メーカー=鉄スクラップを主な原料として、電気の熱でこれを溶解し、製鋼を行う鉄鋼メーカー。異形棒鋼(鉄筋)やH形鋼を主力製品とする普通鋼電炉メーカーと特殊鋼を生産する特殊鋼電炉メーカーの2つに大別される。
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 関東鉄源テンダー=関東地区の鉄スクラップ業者でつくる関東鉄源協同組合が、毎月実施する鉄スクラップ(H2)の共同輸出入札(テンダー)。落札分の輸出は、次月に行われるため、国内相場の先行指標として位置付けられる。日本はアジア最大の鉄スクラップ輸出国であることから、海外での注目度も高い。
 このほかに、関西鉄源協議会、大阪金属リサイクル工業協同組合も定期的に共同輸出入札を行っている。
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 コンポジット価格=米国の鉄スクラップ専門誌Iron Age誌が毎週月曜日に発表する価格。米国東部の3都市(ピッツバーグ、フィラデルフィア、シカゴ)の製鋼メーカー購入価格一部輸出業者の購入価格を含む)を平均したもの。特に米国の指標品種「bPヘビー」のコンポジット価格は、世界的に最も重視されている指標。
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 ファクトリーバンドル=米国の自動車メーカーから発生するファクトリーバンドルは、工場発生スクラップの一つで、日本では「新断プレス」に近い上級品種。自動車メーカー各社は、毎月末に入札を実施し、次月の払い出し価格を決める。ここでの落札価格を平均したものを、米鉄鋼専門誌American Metal Market誌が「ファクトリーバンドル・インデックス」として毎月発表している。次月の払い出し価格のため、相場の先行指標として重視されている。
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 欧州鉄スクラップ価格指数=欧州鉄鋼連盟(EUROFER)が毎月発表する鉄スクラップの価格指数。フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国の5カ国の価格を平均して指数化したもの。「解体スクラップ」、「新断」、「シュレッダー」の3種類を発表している。
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 FAS=貿易用語の一つでFree Alongside Shipの略。売り手が船側に貨物をつけたところで引渡しが完了する取引条件。船側渡し、舷側渡し、港渡しなどとも呼ばれる。
 FAS価格とは、売り手が貨物を船側につけた段階で、売り手に支払われる価格。船側までの運送コストは売り手側の負担となり、鉄鋼メーカーが購入する条件と同じ。両価格が対比されるのはこのため。
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 FOB=Free on Boardの略。輸出港本船積込渡値段。売り手が約束の貨物を、買い手が支配した本船に積み込んで引き渡しが完了する貿易上の取引条件。売り手は貨物を引き渡すまで、品価格、横もち料、積み込み料、保険料など一切の費用と危険を負担する。それ以降は買い手の責任となる。FOB価格とは、FAS価格に、横もち料、積み込み料、保険料などを加えた価格。
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 CIF=Cost , Insurance & Freightの略。運賃・保険料込値段。CIF価格は、到着港本船渡価格で、FOB価格に海上保険料、海上運賃を加えた価格。
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 CFR(C&F)=Cost and Freightの略。運賃込値段。到着港本船渡条件だが、海上保険をつけない。従ってCIFから海上保険料を差し引いたもの。
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 ミニミル=電気炉製鋼メーカーのこと。電気炉メーカーは高炉メーカー(銑鋼一貫メーカー)に比べ規模が小さいことから、「小さな工場」という意味でミニミルと呼ばれるようになった。単にミルと呼ぶ場合は製鋼メーカーのことを言い、例えば「韓国ミル」は「韓国の製鋼メーカー」のこと。

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